リアル系厚塗りの絵の描き方【イラストメイキング:水辺の一角獣】

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Photoshopを使用して、リアルで厚塗りのイラストを描いている様子をまとめました。

この記事を書いたのはこんな人です

卯月まめ

卯月まめ


  • Photoshop歴 22年
  • イラストレーター歴 13年(2009年~)

ゲームに登場するモンスターやアイテム、書籍の挿絵などのお仕事をしています。
リアルで厚塗りのイラストが得意。特に動物が得意で、伝説上の生き物やモンスターなどファンタジー系をよく描いています。

この記事ではこんな事がわかります

  • リアル、厚塗りイラストを描く様子
  • 自然の風景、動物の描き方やコツ
  • グリザイユ画法でのイラストの描き方

今回はこちらのイラストメイキングとなります。
深い森の水辺にいる一角獣のイメージです。

動画にもしています

このイラストはすべてPhotoshopで描きました!
Photoshopについてはこちらをどうぞ

目次

ざっくりとアタリを描く

新規レイヤーに自分の頭の中のイメージをザクザク描いてアタリをとっていきます。
ユニコーンの部分だけ別レイヤーで描いています。

アタリとは線で大まかに配置を決める下描き作業の事です。
下描きの下描きみたいなものです。

木や草などの背景を描く

今回は、先に背景をある程度描いて、雰囲気をつかんでから主役であるユニコーンを描いていきます。

ざっくりと下塗り

まずは一番下になる背景をざっくりと塗っていきます。
雰囲気をざっくり決めるための塗りですが、難しく考えずにドでかいサイズのブラシで、ざっくざっく色を置いていきます。

単色や、グラデーションで塗ると、均一すぎて不自然になってしまいます。

使用したブラシはAdobe公式Watercolorにあるこちらのブラシ。
ほどよくムラ感や筆感を出したい時に重宝しています。

ざっくりと木の幹や枝を描く

木の幹や枝を描いていきます。
木のレイヤーは【手前の幹と枝】【奥の枝】で2つ分けました。
木の枝の伸び方や大きさなどを意識しつつ描き進めます。

【手前の幹と枝】は光が当てっている部分も描いていますが、【奥の枝】はディティールは無視してシルエットのみに。色味も少しだけ彩度を下げ、明度を上げて、奥行を出しています。
奥の枝は最終的には木の葉でほぼ見えないので、省エネで描きます。

草や木の幹を細かく描く

木の幹の部分は、描いては指先ツールでなじませて、また描いてなじませるの繰り返しです。

指先ツールはAdobe公式Watercolorのこの辺りをよく使っています。

色を伸ばすというよりかは、ぼかす感じの効果です。

木の葉を描く

自作の木の葉ブラシをふんだんに使って描きました。
もさっとした塊を何か所も描く感じです。

木の葉のレイヤーは奥、中間、手前の3層にしています。
奥にいくほど彩度を下げて、奥行きを出しました。

奥の背景はシンプルに描く

背景の一番奥にある木や草も描き込んでいきます。

色をスポイトでひろいながら、コントラストだけで形を作っていきます。
背景をシンプルにする事で、手前の絵を引き立たせます。

グリザイユ画法でユニコーンを描く

ユニコーンは、あとでイラスト素材として配布しようと思ったので、最初に描いたラフのユニコーンのレイヤーを、新規キャンパスへ移動して別ファイルとして描いています。

グリザイユ画法とは、モノクロである程度細部まで描きあげて、あとから色を乗せていく技法です。

ユニコーンの下描きを描く

似たようなポーズをしている馬の写真を何枚か参考にしながら、もう少し細かくラフを描き込んでいきます。
私の中のユニコーンは、筋肉質の馬車馬タイプなので、足を太めにしてガッシリさせました。

人間や動物などの生き物は、骨格から意識して描くと自然なポーズで描けるようになります。

モノクロで細かい部分まで描き込んでいく

荒く描き込む→指先ツールでなじませる→描く→なじませる、を繰り返して、納得いくまで細部も描き込んでいきます。

ふさふさの毛はブラシで簡単に描ける

たてがみやしっぽのふさふさは毛のブラシで描き込んでいます。
毛ブラシがあれば動物の長めの毛や、髪の毛などもブラシで簡単に描く事ができますよ。

ガイドを使って角度を調整

ユニコーンが斜めになっていたのが気になったので、ガイドを使って角度を調整します。

あまりにも頻繁に自由変形を行うと画像が劣化していきます💦

まだ描き途中だったり、数回程度はまったく問題ないです。
できれば下描きあたりで調整するべきでした💧

クリッピングマスク+オーバーレイ設定のレイヤーを使い色を付ける

ユニコーンのレイヤーの上に、新規レイヤーを作成して、クリッピングマスクを使用。
オーバーレイの設定にして、色を塗っていきます。

たてがみやしっぽ、脚先などは濃い青にしてみました。

仕上げ

ユニコーンのイラストを配置する

ユニコーンのレイヤーを統合して、イラストのファイルに移動しました。
大きさを自由変形で調整して配置します。

光源の位置を考えてユニコーンの光と反射光を描きたす

光源の位置を考えて、光や影を描いていきます。

このイラストの場合は、木の上あたりにしようと思ったので、ユニコーンには右上から光が当たっているイメージです。

また、光源とは正反対の位置に、反射光も描きたします。
水や草からの跳ね返った光を受けるイメージなので、青っぽい色を強めに左下のから光が当たっているように描きます。

木にも木漏れ日を意識した落ち影を描く

木にも落ち影を描いていきます。

影用の乗算設定のレイヤーを作って、葉っぱブラシで影を描きました。
濃い色が出てきて、引き締まった感じがします。

水面の光を描く

覆い焼きカラーの設定で水面の光を描いていきます。

陸地と水の間に入れると、境界線になって水の感じが出ます。

イラストを反転させて水面に映る様子を描く

ユニコーンのレイヤーをコピーして、上下反転させて配置。
レイヤーの不透明度を低くして半透明にしました。
あとは消しゴムで部分的に消したり、指先ツールでゆがませたりしながら微調整。

木のレイヤーは背景レイヤーと統合してしまったあとでした💦
なので、木の部分だけざっくり選択ツールで囲い、コピーしたレイヤーを作りました。
不要な部分は、ふんわりと消しゴムで消して、あとはユニコーンと同様の方法で調整。

差し込む光を描く

光源である太陽の位置を意識して、差し込む光を描いていきます。
今回は白にしましたが、青っぽい色や黄色っぽい色などでも、また違う雰囲気になって楽しいです。

ぼかし(ガウス)使って被写界深度を表現

手前の草を描きたして、ぼかし(ガウス)を使って思いっきりぼかしました。
目の前にも脇役を置くことで、奥行き感が出ます。

完成

パーティクル(光のつぶ)を足して完成です!

卯月まめ

ちなみに完成までかかった時間は、約3時間30分でした。

イラストの描き方や、考え方は人によっても違いますし、同じ人でも日々の勉強や研究で、変わる事もしょっちゅうあります。
少しでも参考になれば幸いです。

このイラストはすべてPhotoshopで描きました!
Photoshopについてはこちらをどうぞ

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